ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは?資格取得の費用や期間、メリットについて

資格ならシカトルトップ > ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは?
1

ガイドヘルパー(移動介護従事者)とはどんな資格?

ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは、一人で外出するのが困難な視覚障がいを持つ方、全身性障がいを持つ方、知的・精神障がいを持つ方などの外出同行や移動を支援する職業のことです。ガイドヘルパーは外出介護員とも呼ばれます。仕事内容は車椅子の介助など移動の支援だけでなく、代筆や代読、排泄や食事の介護なども含まれます。一人では外出が困難な方もガイドヘルパーが付き添うことで安心・安全に外出することができます。移動支援だけでなく、利用者さんの生活をより充実したものにすることもガイドヘルパーの仕事といえるでしょう。 ※2006年10月に外出介護サービスが市区町村の実施する地域生活支援事業になったため、ガイドヘルパーの要件やサービス内容は各市区町村で異なります。

ガイドヘルパーの種類や受講資格は?

ガイドヘルパー(移動介護従事者)の養成研修には3つの種類があります。

① 視覚障がい者同行援護従業者養成研修

視覚障がいにより移動に著しい困難を有する方の外出支援を行うための研修。

② 全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修

先天的・後天的に身体のどこかに障がいがあり、かつ移動に著しい困難を有する方の外出支援を行うための研修。

③ 知的・精神障がい者行動援護従業者養成研修

知的障がいや精神障がい、発達障がいで行動上困難があり、日常的に介護が必要な方の行動支援を行う研修。

以下にそれぞれの養成研修の違いや受講条件を表にまとめました。

  視覚障がい者
同行援護従業者
養成研修
全身性障がい者
ガイドヘルパー
養成研修
知的・精神障がい者
行動援護従業者
養成研修
対象者 視覚障がいを持つ方 全身性障がいを持つ方 知的・精神障がいを持つ方
提供サービス ①移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む。)
②移動時及びそれに伴う外出先において必要な移動の援護
③排泄・食事等の介護その他外出する際に必要となる援助
全身性障がいの方の外出支援、車両での送迎、代読や代筆など。 ①行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護
②外出時における移動中の介護
③排せつおよび食事等の介護、その他の行動する際に必要な援助
受講条件※1 一般過程:特になし
応用過程:一般過程修了者
特になし 特になし
カリキュラム※2 一般過程:20時間
応用過程:12時間
16時間 19時間
その他 サービス提供責任者になりたい方は応用過程まで修了する必要があります。 介護職員初任者研修修了者は一部科目免除になります。 平成30年4月1日以降より、行動援護従業者として働く場合は行動援護従業者養成研修を修了し、知的障害児者もしくは精神障害者の直接業務1年以上の実務経験が必須です。
※1.都道府県によっては介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の資格が必須の場合もあります。 ※2.地域によって受講時間が異なる場合があります。
視覚障がい者同行援護従業者養成研修
対象者 視覚障がいを持つ方
提供サービス ①移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む。)
②移動時及びそれに伴う外出先において必要な移動の援護
③排泄・食事等の介護その他外出する際に必要となる援助
受講条件※1 一般過程:特になし
応用過程:一般過程修了者
カリキュラム※2 一般過程:20時間
応用過程:12時間
その他 サービス提供責任者になりたい方は応用過程まで修了する必要があります。
全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修
対象者 全身性障がいを持つ方
提供サービス 全身性障がいの方の外出支援、車両での送迎、代読や代筆など。
受講条件※1 特になし
カリキュラム※2 16時間
その他 介護職員初任者研修修了者は一部科目免除になります。
知的・精神障がい者行動援護従業者
養成研修
対象者 知的・精神障がいを持つ方
提供サービス ①行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護
②外出時における移動中の介護
③排せつおよび食事等の介護、その他の行動する際に必要な援助
受講条件※1 特になし
カリキュラム※2 19時間
その他 平成30年4月1日以降より、行動援護従業者として働く場合は行動援護従業者養成研修を修了し、知的障害児者もしくは精神障害者の直接業務1年以上の実務経験が必須です。
※1.都道府県によっては介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の資格が必須の場合もあります。 ※2.地域によって受講時間が異なる場合があります。
2

ガイドヘルパー(移動介護従事者)の資格取得方法

ガイドヘルパー(移動介護従事者)の資格取得方法

ガイドヘルパー(移動介護従事者)資格は修了試験がなく、都道府県または市町村が指定した養成研修を受講し、修了することで取得できます。また、市区町村によっては介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)以上の資格が必須の場合があるため、ご自身がお住まいの自治体に事前に確認しましょう。

3

ガイドヘルパー(移動介護従事者)のカリキュラム

以下はガイドヘルパー(視覚障がい者同行援護従業者養成研修、全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修、知的・精神障がい者行動援護従業者養成研修)の東京都のカリキュラムです。 ※カリキュラムは実施都道府県によって異なる場合があります。

1.視覚障がい者同行援護従業者養成研修

【一般過程】

形態 教科名 時間数
講義 視覚障がい者(児)
福祉の制度と
サービス
1
同行援護の制度と
従業者の業務
2
障がい者(児)の
心理①
2
情報支援と
情報提供
1
障がい・疾病の
理解①
2
講義・
実習
代筆・代読の
基礎知識
2
実習
講習
同行援護の
基礎知識
2
基本技能 4
応用技能 4
合計 20

【応用過程】

形態 教科名 時間数
講義 障がい・疾病の
理解②
1
障がい者(児)の
心理②
1
実習
講習
場面別基本技能 3
場面別応用技能 3
交通機関の利用 4
合計 12
参考:厚生労働省「同行援護について」

2.全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修

形態 教科名 時間数
講義 障がい児福祉に
関する制度及び
サービス
3
身体障がい者
ホームヘルプサービスに
関する知識
3
サービス利用者の
理解
3
移動支援の
基礎知識
3
演習 車椅子での移動の
支援に係る技術
4
合計 16
参考:東京都障がい者(児)移動支援従業者養成研修事業実施要綱

3.知的・精神障がい者行動援護従業者養成研修

形態 教科名 時間数
講義 障がい児福祉に
関する制度及び
サービス
3
知的障がい者
ホームヘルプサービスに
関する知識
3
サービス利用者の
理解
5
移動支援の
基礎知識
2
演習 移動の支援に
係る技術
6
合計 19
参考:東京都障がい者(児)移動支援従業者養成研修事業実施要綱
4

ガイドヘルパー(移動介護従事者)の受講費用・期間

ガイドヘルパー(移動介護従事者)の費用と受講期間は市区町村やスクールによって異なりますが、平均の受講費用は2~5万円、平均受講期間は2日~です。ここでは各ガイドヘルパーの資格ごとの費用相場や受講期間などについて一覧で紹介します。

資格 受講料金 受講期間
視覚障がい者
同行援護従業者
養成研修
2~5万円 2~5日
(一般過程3日、
応用過程2日)
全身性障がい者
ガイドヘルパー
養成研修
2~5万円 2~3日
知的・精神障がい者
行動援護従業者
養成研修
3~5万円 3~4日
5

5.詳しく知りたい!ガイドヘルパー(移動介護従事者)を取得するメリット

1.仕事の幅が広がる!

ガイドヘルパーの資格を持っていることで仕事の幅が広がります。介護職員初任者研修の資格保有者は知的・精神障がい者の移動介助はできますが、全身性障害者や視覚障害者の移動介助はガイドヘルパーの資格保有者でなければできない仕事です。そのため、これまで施設内で介護業務のみを行っていた方でも、ガイドヘルパー資格を取得することで利用者さんの散歩や外出に同行できます。普段中々外出できない利用者さんの生活をより充実したものにすることがガイドヘルパーの仕事のやりがいにもなります。

2.幅広い勤務形態から選べる!

ガイドヘルパーには大きく分けて二種類の働き方があります。一つめは養成研修修了後に事業所に正規職員として就職すること、二つめは市区町村や都道府県が管理するガイドヘルパー登録名簿へ登録することです。ガイドヘルパー登録名簿へ登録する場合はパート・アルバイトとして好きな時間に働くことができます。資格専門職として幅広い勤務形態を選べることはガイドヘルパーの魅力の一つと言えるでしょう。

3.キャリアアップが目指せる!

同行援護事業所や行動援護事業所のサービス提供責任者を目指す場合、それぞれの養成研修を修了している必要があります。将来的に現場に即したマネジメントを行う仕事がしたい方、お給料を上げたい方はガイドヘルパーの資格を活用してサービス提供責任者を目指すと良いでしょう。 ※行動援護事業所の場合、行動援護従業者養成研修修了の他にも知的障がい者または精神障がい者の直接支援経験1年以上が必要です。

6

ガイドヘルパー(移動介護従事者)修了者が活躍できる職場は?

ガイドヘルパー(移動介護従事者)修了者は様々な事業所や施設でニーズがあります。ガイドヘルパー修了者が活躍できる勤務先をご紹介します。

1.訪問介護・居宅介護事業所

訪問介護・居宅介護とは、訪問介護員(ホームヘルパー)が高齢者や障がい者の方の自宅を訪問し、介護や日常生活のお世話をする仕事です。ガイドヘルパーとしての仕事内容は、主に通院や買い物など一人で外出するのが難しい利用者さんの外出支援です。また、同行援護事業所や行動援護事業所のサービス提供責任者になりたい場合、それぞれ視覚障がい者同行援護従業者養成研修の応用過程、知的・精神障がい者行動援護従事者養成研修を修了している必要があります。

同行援護事業所でサービス提供責任者になるための資格要件

所有資格に関係なく、視覚障がい者同行援護従事者養成研修を受講し、応用過程まで修了する必要があります。

行動援護事業所でサービス提供責任者になるための資格要件

所有資格に関係なく、「知的・精神障がい者行動援護従事者養成研修の修了+知的障がい者または精神障がい者の直接支援経験1年以上」が必要です。

2.障がい者支援施設(通所・入所)

障がい者支援施設とは、自宅で生活することが困難で介護や援助が必要な障がいのある方に対し、施設入所支援や施設障がい福祉サービスを行う事業所のことです。サービス内容は昼(日中活動事業)と夜(居住支援事業)に分かれており、サービスを組み合わせて利用することができます。仕事内容は、利用者の方への入浴、排泄、食事などの介護サービスの提供、就労移行支援や就労継続支援、レクリエーション活動や外出支援などです。ガイドヘルパーとして利用者の方の外出支援のみを行うのではなく、他の介護の仕事もすることが一般的です。そのため、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの資格と一緒にガイドヘルパーの資格を取得される方が多いです。

3.移動支援事業を受託する事業所

ガイドヘルパーの活躍先には市区町村や都道府県が実施する移動支援事業を受託する事業所があります。ガイドヘルパーとして仕事をする場合、養成研修修了後に事業所に正規職員として就職する場合と市区町村や都道府県が管理するガイドヘルパー登録名簿へ登録する場合があります。ガイドヘルパー登録名簿へ登録する場合はパート・アルバイトとして好きな時間に働くことができますが、正規職員として働く場合は障がい者支援施設と同様に他の介護系資格も取得して外出支援以外の仕事をすることが一般的です。

7

ガイドヘルパー(移動介護従事者)のお給料は?

ガイドヘルパーのお給料は雇用形態(正規職員、パート・アルバイト)によって異なります。以下はガイドヘルパーの正規職員の平均月収とパート・アルバイトの平均時給です。ガイドヘルパーのお給料は介護職員初任者研修保有者と同じくらいで、事業所にもよりますがガイドヘルパー資格を持っていることで資格手当がつく場合があるようです。

雇用形態 平均給与
正規職員 平均月収
20万円前後
パート・アルバイト 平均時給
1,300~1,800円
8

ガイドヘルパー(移動介護従事者)からキャリアアップするには?

サービス提供責任者(サ責)を目指す!

ガイドヘルパー資格取得者がキャリアアップする場合は事業所のサービス提供責任者(サ責)を目指すと良いでしょう。サービス提供責任者とは、訪問介護サービスの責任者のことを指します。仕事内容は訪問介護サービスの利用者の方のためにケアマネジャーやヘルパーとの連携や調整、介護サービスの計画を立てることです。サービス提供責任者になるには実務者研修や介護福祉士などの資格が必要です。その中でも同行援護事業所と行動援護事業所のサービス提供責任者になる場合は、それぞれ視覚障がい者同行援護従事者養成研修、知的・精神障がい者行動援護従事者養成研修を修了する必要があります。サービス提供責任者になれば更にお給料も上がりますので、ガイドヘルパー資格を充分に活用してステップアップしましょう。

現在無資格の方はまずは初任者研修、実務者研修を取るのがおすすめ!

現在無資格の方やこれから介護や障がい者支援の仕事に就きたいと思っている方は、まずは介護職員初任者研修介護福祉士実務者研修の取得をおすすめします。なぜなら、ガイドヘルパーのみの仕事はとても少なく、他の介護業務も並行して行うことが一般的だからです。初任者研修や実務者研修を修了していることで介護の基礎知識や技術を身に付けられ、就職や転職の際にも有利になります。ガイドヘルパーとして働きたい方は、まずは初任者研修や実務者研修の取得を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

介護職員初任者研修の受講費用や期間、
取得メリットについて
詳しく知りたい方はこちら
介護福祉士実務者研修の受講費用や期間、
取得メリットについて
詳しく知りたい方はこちら
9

自分に合ったガイドヘルパー(移動介護従事者)のスクールを選ぶには?

費用が安い

正規の受講料の比較だけではなく、時期によって各スクールが行っている割引キャンペーンの有無なども含めて総合的に判断することが重要です。また、全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修は介護職員初任者研修以上の資格を持っている場合、受講科目と費用が一部免除されます。全身性障がい者ガイドヘルパー養成研修の受講を考えている方は初任者研修を取得して費用を抑えるなどの工夫をしても良いでしょう。

通いやすい距離にある

3種類のガイドヘルパー資格はそれぞれ実習・演習があるため、通学での受講が必須です。そのため、スクール選びの際には家や職場から近いスクールであることが重要です。自宅や仕事場から一定期間、無理なく通い続けられるかどうかも選択の基準に取り入れましょう。

以上の点において、ご自身の希望に当てはまるスクールを比較検討し、自分にぴったりなスクールを選びましょう。

10

よくある質問

Q1.

ガイドヘルパー(移動介護従事者)を取得するのに
資格や経験は必要?

A1.基本的に必要ありません。 ガイドヘルパーを取得する場合、基本的に他の資格や実務経験などは必要ありません。しかし、市区町村によっては介護職員初任者研修以上の資格保有が必須の場合があります。ガイドヘルパーを受講する際は事前にスクールやお住まいの市区町村に確認しましょう。
Q2.

ガイドヘルパー(移動介護従事者)に修了試験はある?

A2.修了試験はありません。 ガイドヘルパーはどの資格も修了試験はなく、全カリキュラムを修了すれば資格が取得できます。勉強が苦手な方でも比較的取得しやすい資格であると言えるでしょう。
Q3.

ガイドヘルパー(移動介護従事者)は独学で取れますか?

A3.いいえ、独学では取れません。 ガイドヘルパーのカリキュラムの中には実技演習が含まれているため、独学では取得できません。
まずは希望エリアのスクール資料を無料で請求

お客様情報のご入力

希望するスクールのエリア
correct
ご住所
存在する郵便番号を入力してください。
郵便番号がわからない方はこちらをクリック
correct
市区町村を選択してください。
番地・建物名を入力してください(数字は半角)。

ご住所はお間違いありませんか?

お名前
氏名を入力してください。
かなを入力してください。
ご連絡先
電話番号を正しく入力してください。

caution電話番号の打ち間違えにご注意ください

請求する講座を表示する
  • 強度行動障害支援者養成研修 日本キャリアパスアカデミー [通学]
  • 全身障がい者ガイドヘルパー養成研修 三幸福祉カレッジ [通学]
  • 視覚障がい者 同行援護従業者養成研修(一般過程)(応用課程) 三幸福祉カレッジ [通学]

ガイドヘルパーを
受講できるスクールの詳細

その他の介護資格

講座資料を無料請求する

ページトップへ